【CD】エリザベート2015年公演

ずっと封印していた新エリザベートのCDをようやく開封して作業中に聞き始めた。
井上トートは「迎えよう」の後にシシィに一目惚れしてるんだな。
山口トートのときは、これまでも存在を知っててずっと好きだったのかなって思ってた。

山口トートは、ゴンドラ登場から脳を溶かすような甘い歌声で、あの淡々としたトーンが人智を超えた力を持っている印象。
神とか魔王とか。「神々しい… 拝んでおこう…」って気持ちになってうっとりして帰れる。
あれは、夫とすれ違い、姑と対立し、孤独に戦う日々を送っている奥様たちの心のオアシスだったのではないか。
きっとそう。自分を心から欲してくれて、常に寄り添って、見守って (監視して?) くれる、あんなに麗しい「何か」がいたら、頑張れる気がする。

井上トートは、強い熱情に動かされるがまま、耽美に、退廃的に存在しているイメージ。
悪魔だったり、邪神だったり。ゲームなんですよね。「もてあそんでるうううう」ってもだえさせられる。
一度だけ拝見できたのだけど、そのときのラストシーンの表情を見て愕然とした。
え、待って、あなたの胸の中には、すっかり安心して満たされたシシィがいるのに…。
胸を撃ち抜かれましたね、ほんとに芳雄くんのお芝居大好きです (初演時の感想です)。
新演出でトートの動きが増えて、シシィと絡みやすくなったのもあるのかなー。

ちなみに山口さんが好きなので、旧世代は山口トートしか見たことありません。
他のキャストさんも見てみたかったんですけど、チケット取るときになると思い切れなかったんですよね…。

新世代ももちろん、すばらしいし、これからさらに良くなっていくと思うのだけど、
私の中のエリザベートは、旧世代で完成してしまっているため、このイメージはくつがえらないだろうと思います。
一番イメージがぬぐえないのが、高嶋ルキーニ。もうきっと、あの濃い味付けじゃないと、満足できません。
村井国夫さんもダンディでよかったな~、シシィがパパに憧れる気持ちが無条件にわかる。

あと、禅フランツは優しさが果てしなくて、シシィを包み込もうとするのに、過去のトラウマからどうしても溝が埋まらず、
その大海のような優しさをもってしてもシシィに受け入れてもらえないところがすごく切なくて、
綜馬フランツはさすがゾフィー様のご子息って感じの厳格さを持ちながらも、シシィに心底惚れ込んでいて、大切にしたいのに、
不器用さゆえにおそるおそる手を差し伸べることしかできず、結果拒まれてしまってすごく切なくて。
どちらを見ても心が締め付けられて、「悪夢」を聞くのがとてもしんどかったです。

あ~、1936ルキーニがイケボすぎる… ルキーニルート登場しないんでしょうか…w
ちょっとキリがないので、作業に戻ります。